今年1月にジュンク堂書店の企画で梅田で開いていた”桂文珍書店”で見つけた一冊です。

無理やり落語家に弟子入りさせられたチンピラ兄ちゃんを主人公に、上方落語界とそこを取り巻く様々な人を巻き込みながら話が展開されます。
短編の連作集で、ストーリーごとに上方落語の古典噺が折り込まれていました。
また前座さんのお仕事をからめ、若手噺家の心情を巧みに描写。落語界のことが詳しく書かれているのは驚きでした。綿密な取材があったのでしょうが。
短編冒頭での月亭八天師の解説も落語を知らない人にも解りやすいと思いました。

とてもテンポよいストーリー展開で、引き込まれるように読んでしまいます。
実際に電車で読んでて、降りる駅を降り過ごしそうになりました(汗)

前述の”桂文珍書店”では文珍さん直筆のポップが立ってて、「『タイガー&ドラゴン』のクドカン(宮藤官九郎氏)も影響受けたんでしょう」旨のコメントが立っていました。
確かに『タイガー&ドラゴン』のモデルだと思いました(微笑)

なので『タイガー&ドラゴン』のファンの人はハマるかも。
そうでない人、ジャニーズが嫌いな落語好きな人もハマるかと思います。

久々に読んだ傑作でした。

で先日の「しごきの会」で文珍さんがこの本について触れ、なんと文庫化されたそうな(文庫版では文珍さんが解説を書いているそうです)。もう少し待っておけば良かった(苦笑)

ハードカバーより廉価な文庫になったんで、より多くのかたに手にとってもらいたいです。

なお登場人物のうち、「笑酔亭梅寿」は故・六代目笑福亭松鶴師、「吸血亭ブラッド」は二代目快楽亭ブラック師がモデルなんでしょうね。
ハードカバー版には関西では有名なイラストレーターである成瀬國晴氏のイラストがあり、梅寿が描かれていましたがとても六代目松鶴師にそっくりでした(笑)


以下、出版情報。

書名:ハナシが違う!笑酔亭梅寿謎解噺
著者:田中啓文(たなか・ひろふみ)
文庫: 347ページ
出版社: 集英社 (2006/08)
ASIN: 4087460746

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ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺(集英社文庫)


笑酔亭梅寿謎解噺