みのさんが先週金曜日に東京は銀座ブロッサム中央会館での「柳家小三治独演会」を鑑賞され、そのレポートを送って下さいました。

この日の演目は以下の通り(某サイトより)。

『一分茶番』柳家禽太夫
『あくび指南』柳家小三治
(中入り)
『鰍沢(かじかざわ)』柳家小三治

みのさんは、会場に向かう列車が遅延したため、噺は『鰍沢』しか聴けなかったそうです。
演目の数が3席とはネタ数が少ないなと思いますが、『鰍沢』は1時間以上の長講なので、このネタ数になったのでしょう。

以下はレポートです。ノーカット、ノー編集です。
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みのです。去る12月14日は、東京は中央区は中央会館ブロッサムに、柳家小三治師匠の独演会に行って参りました。実家の母を誘いました。お噺は「鰍沢(かじかざわ)」です。

最初は仏教の宗派のあれこれを、とりとめもない様な気楽な感じでおはなしされます。当然「鰍沢」の背景説明なんですが…これが、とても不思議なんです。
「一番に信者数が多いのが○○宗だそうでして、で準優勝が□□□宗なんだそうで」…とか、ただそれだけの、笑うようでもないような「仏教宗派解説」を肩の力抜いてざっくばらんにお喋りするだけ、なんです。なのに。
場内、笑いが絶えないのであります。それも、むりくり笑ったのとは違う、つい笑わされてしまったというような何気ない笑いが。う、芸の力だ…
このマクラともいえない?マクラでお客さんをすっかりリラックスさせる事ゆうに20分はありました。唐突に本編に入りました。

突然、吹雪の中、こごえながら歩く旅人が現れました。それまで安楽にころころと笑っていた場内が、よくあるたとえですが「水をうったように静まりかえり」、慣れぬ雪の土地を一人行く旅人を「かたずをのんで」見守ります。東京都中央区の暖房のきいた近代的なホールに居るのに、本当に、冬の身延山近くのつらい雪道に迷いこんだかのようです。
あとはもう…兎に角情景描写、自然の活写の巧みさに、たった一人の演者の高座とは思えず、「雪をかぶったあばらや」もそこに見え、扉を開くガタガタは自分が開いているような感触さえ覚えます。そしてあばら家の中に、最初は声だけ、やがていろりの火が明るくなるにつれゆるゆると見えてくる女の姿…その美しく妖しい事!
母は「しかしあの女の色っぽい事と言ったらなかったわよねぇ?背中見せた時なんかゾクゾクしたわ〜」と感嘆。やはり当代いちと言われる小三治師匠であります。
合計1時間をゆうに超える「鰍沢」でしたが、勿論長さなど感じませんでした。前半のしんみりした雪の中の静、急展開から後半の動、かみあったお噺を堪能しました。

残念だったのは…当日列車のダイヤが大幅に乱れ、母が1時間以上も到着が遅れて、前半のお噺を聞きそびれた事。「あくび指南」だったそうですが…ったく暮れが押し詰まって来ると…だから、飛び込んだらイカンですょっ!(汗)
みの拝
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以上レポートでした。


リンク:銀座ブロッサム中央会館@東京都中央区ホームページ