第８回渋谷東横落語会今月７日に東京渋谷・セルリアンタワー内の能楽堂で開かれた「第８回渋谷東横落語会」をみのさんが鑑賞され、そのレポートを頂戴しました。

「東横落語会」は30年以上前までに今の東急百貨店東横店（渋谷駅の駅デパ）内のホールで開かれていた定期落語会だったそうですが、その途絶えいたものを、落語ブームの現在に復活し、それが８回目の開催ということだそうです。


この日の演目は以下の通り。

『一目あがり』林家彦丸
『宗論』三笑亭可龍
『万金丹』柳家三三（さんざ）
（中入り）
『文七元結』立川志らく


では、以下にレポートを掲載します。
（レポート途中の画像は私が挿入したものです）
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みのです。３月７日(金)夜は母を連れて、渋谷東横落語会に行って来ました。
なんと！イチオシの三笑亭可龍君が、柳家三三さんに立川志らく師匠と共演！というクラクラものです(あ。クラクラは自分だけ？かな…)。もうシゴトは若いモンに任せて都会にGo！

場所は渋谷駅近くの、最近出来たっぽい高級そうなすてきな建物の、地下の能楽堂。ひぇ〜っ足がすくみます(東京在住でも都下北部辺境西武沿線勤務の自分は、こんな所に来る用が無い)。一の松二の松三の松があって橋がかりがあって背中に松描いてある、つまり、ほんとうのお能の舞台に高座あってお座ぶとんがあって落語会な訳です。噺家さんは長い橋がかりを通って高座にたどり着くという…高尚な感じ、気品たっぷり…お客さんも結構なお召し物の方が目につきます。わ〜！すくむすくむ(汗)。
しかも席は…「げ。正面の第一列、最前列かよ…」。脇でも中でもないのね…ああ落語来て緊張するなんて(苦笑)。

最初は林家彦丸さんの「一目上がり」。兎に角、声が出ていたからおっけー。がんばれ。

三笑亭可龍二人目が三笑亭可龍君。お噺は得意(だと思う)の「宗論」。
わーっ、そりゃチャリで行った隣の杉並区の公民館でとか、何度も何度も聞いた可龍君の「宗論」だけど、そらもうこちらも緊張しちゃったりなんかして…なんせ場所が場所だし(汗)、そも三三さんや志らくさんがあとに控えてるしっ！ほぼ「浦和で見てたお気に入りの若手選手が千葉マリンでベンチ入り初スタメンにソワソワドキドキ相手先発は向こうのエース」状態(可龍君は西武ファンですが)。大体母にも「若くて上手いから」って宣伝しまくってるし。

しかも。
可龍君のアタマは見事な「トサカ頭」です(わはははは〜！)。
いや可龍君、いつもトサカっぽいんですが…兎に角この日のトサカはハンパじゃない。地毛の黒いのの上に、モヒカンちっくな華麗なる金がかった茶色のトサカを、ゴジラか恐竜の背中の様にゴージャスに高々とギザギザ立てまくり。まるで「ハナシが違う！」の酔笑亭の主人公の、文庫本版のカバー絵そのもの、否それ以上…もぉ気合い十分と見るしか、ない。
「これでもしトチったら…」とか思うと気が気ではなかったのですが、そこは流石。存分に持ち味の歯切れの良さ、浮遊感ある嫌みの無いうまさ、そして軽さで、客席をけらけらころころと笑わせ、途中の歌唱ではしっかり拍手をとりました。よかった〜(にこ)。
しかも普段は前座さんが太鼓を叩くところを、この日は何と！「三三さんが叩いてくれた」そうで、マクラではしきりに恐縮していた可龍君。やっぱり緊張していたのでしょう。ちょっとほほえましかった。


柳家三三続く柳家三三さん、伺うのは初めてです。たいそう上手い方だと聞いていましたが、噂通り達者な方で、まだ若い方に見えるのですが、お喋りはもとより所作にもひきこまれる巧みさがあります。
お噺は「万金丹」。にわか坊主になったちんぴらクン２人組のてんやわんやに、場内わきました。前の可龍君のネタも時に噺に混ぜ込む機転もきいてます。ケイハクな２人組に対する和尚さんの好々爺ぶりや、葬式を依頼する田舎のおやじさんの朴訥な賢さがなんとも好ましくて…
尚、三三さんもマクラで「自分も志らくさんに太鼓やって貰おうと思った」ら…「まだ楽屋入りしてない」(爆笑)。「一体どこまで師匠に似(以下略)」。ヲイヲイ大丈夫か来るのか志らくさん(汗)。


立川志らく仲入り後、来るのか来ないのか不安におののく客席の期待を裏切って？ちゃんと高座に上がられた立川志らくさん。お噺は「文七元結」。マクラ無し、いきなり本番のガチンコ勝負。
…実は志らくさん、自分はあんまり好きではなかったのです。以前伺ったシネマ落語がどうも肌にあわなくて、ちょっと避けてたかも？です。でも…やっぱ上手いわ。は〜っ…
んでもって、やっぱ立川流だなーとか思いました。金銭からまる救いの無い残酷な現実が笑いの隙間からのぞく、そんなお題を扱うと、実に冴え冴えと鮮やかな手応えです。そういや家元の「文七元結」も、背筋にゾッと来るものがあったっけ…


で、ここからちょっと18禁ネタです(汗)。「文七元結」では、最初の方で「博打好きの主人公のおかみさんはお金に困って腰巻きも売ってしまった」というくだりがあるんですが、ここで以前このお噺(題名は微妙に変更されていますが)をやる時、快楽亭ブラック師匠は問題を提起してました。「そも江戸の昔に女性の下着を買い取るブルセラショップがあったのか？！」(汗笑)。
ブラック師匠曰わく「人情噺として有名なこの噺だが、過去のどんな高名な噺家もここはさらりと流して」いて、その問題を追求していないそうです(追求してどうなんだという気もしますが…)
で、この日の志らく師匠はキチンと追求していました(笑)。売った相手は大家で、主人公に「売る方も売る方だが買う方も買う方だ」と言わせて理路を通し笑いどころをひとつ増やしてました…いや、だから何だって話ではないんですが(苦々々〜)。…やっぱ立川流では、そーゆー問題提起にはいちおー回答を出さないって訳にはいかなかったのかも？とか(微笑)…以上、18禁終わり〜。

てな訳で非常に楽しかった渋谷東横落語会でした。母も大いに楽しんだようです。「やっぱり生で見ると全然違うわねぇ」「皆上手いものねぇ〜」「三三さんも志らくさんも良いお着物着てたわねぇ〜高いわよ〜あの着物(笑)」「ただ、あのトサカ頭にはビックリしたわよ…あんな落語家も最近は居るのね。当世風っていうのかしらね？でも落語は上手かったわね〜」。ははは。
みの拝
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以上。


リンク（パソコンで見て下さい）：
・lot6010【渋谷東横落語会】
・セルリアンタワー

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