マリーンズファンのみのさんが、先月5月25日にプロ野球セパ交流戦・カープ×マリーンズ戦@広島市民球場を観戦され、そのレポートを送って下さいました。
しかし、そのレポートは試合内容についてではなく、スタンド裏での地元ファンとの歓談ものでした。

広島の中心部にある広島市民球場は、今年で広島の野球のメッカという役目を終え、来年は広島駅近くに出来る新球場(オープンエア)に移転することになっています。

ロケーションとして球場の外は繁華街で、路面電車が走る通りを挟んで向いは「原爆ドーム」そして「平和記念公園」に続きます。
平和都市ヒロシマの最もシンボリックな場所に在る野球場な訳ですが。

まあ、能書きはここまでにして、以下はみのさんのレポートを掲載します。

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みのです。迷いながらも先週末は長良川ではなく、広島市民球場に行き、大変貴重なお話を伺って参りました。
三塁側の内野席で、地元カープファンのおじいさま方と懇親(三塁側も外野以外は9割以上カープファンです)。「そう、わざわざ東京から来たんか?…ほら」

おじいさまの指す手の向こうに原爆ドーム。レフトスタンドからとてもよく見える。強烈な視界です。

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「ここら一面ずっと焼け野原でな」
「原爆ドーム、あれ元は産業奨励館とか言って、えらいハイカラな建物だったがな」
「前に川が見えるじゃろ?ほらこの下…あそこ一面、死体が一杯で…」
「この球場出来て50年、その前は本当に焼け野原でな、汚い所でな…昔はあっちに練兵場があって…」
「違う違う、練兵場はこっちじゃった」
「おや、そうじゃったかのう」。

わ。凄いお話を自分は今聞いている!とか思いました。

「疎開して山の方におったが、あの『ひかり』はよう見えた…」
「『ひかり』、ですか?」
「そう、『ひかり』…まだ小学校の5年生くらいやったけどな、『ひかり』…忘れられん」。

目の前では丁度同じ年頃のカープファンの小学生が沢山、「ま・え・だ!ま・え・だ!」と熱心に応援している。その子供さん位の時、この目の前のおじいさまは原爆を見てしまったんだ…。

「市内は入ったらいかん、言うてな…一日たって入った人も居たが…」。
このおじいさまのお話は、「原爆投下後もしばらくは強い放射能が残っていたため、8月6日以降に広島市内に入った人も被爆してしまった」という事だと思います。

臨時戦争原爆体験談話会に、試合観戦そっちのけになってしまいました。
「けど、アメリカを憎いとは思わん。悪いのは日本や」
「日本が戦争を早くやめればよかったんじゃ」
「日本も中国や朝鮮に出かけて、一杯悪い事した」
「戦争は勝っても負けてもいいことない」
「戦争は絶対したらいかん」…。うわ。
背中に原爆ドームを見ながらの、おじいさま方の、このお話。強力な現場の、体験者の言葉に圧倒されてしまいました。

「この球場、壊して公園にするそうな」
「え?そんな!勿体無い。アマ野球で利用すればいいのに」
「そう…ここは野球場だから一晩に何万人も集まる。公園にしてそんな人が集まるとは思えん…」
「50年や50年、その前は本当に焼け野原やった…」

来年から新球場になったら、おじいさま方はもう、試合観戦途中に原爆ドームを指し示して戦争の惨禍を語る事は出来なくなる。
知人の広島ファンの、「本当にヤード跡地に新球場でいいのか?平和都市広島のカープの本拠地は、原爆ドームの見える場所でなくてはいけないのではないか」という主張が、腹の底からわかった気がしました。

試合はえぇとマリーンズ最下位。まぁおいといて(苦笑)
他の広島ファンの方とも「広島県出身の選手の話(「マリーンズじゃあないけど、礒部さん大好きなんですぅ〜!」「おぉ礒部は西条やったな」「そうそう」とか)などなど、試合時間のかなりを懇談してしまいました(^^;

しかし現地で体験者にお話を伺うという事は本当に…しみいりました。こたえました。広島市民球場、行って勉強になりました。
みの拝
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以上。


参考リンク:
私設案内@広島東洋カープ
原爆ドーム@建築マップ
広島市内をぶらり3 広島市民球場・原爆ドーム・平和記念公園@【ぼくんち杉並区】(個人ブログ)