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11日は大阪府北部の能勢町(のせちょう)にある「浄るりシアター」での立川志の輔さんの独演会へ行ってきました。
この日の演者の立川志の輔さんは「日本一チケット獲れない噺家」と云われています。
日本全国どこの会も満場にしている噺家さんやけど、大阪府内でも山間僻地の能勢のホールを埋めるほどではないだろうと思っていました。
しかし、会場に着いてみると、500余の席は前売り完売。恐れ入りました。

能勢町は私の親の郷で、年1〜2回行くか行かないか。
私は昔の能勢の印象が強く交通が不便な印象をもっていたのですが、途中の国道173号の車線が拡幅され、以前よりは渋滞が減りました。大阪市内からでもマイカーなら一時間あればやってこれるのは大きい。
実際、会場の駐車場は、かなり遠い県のナンバーのクルマが停まっていました。

中に入ると、使われている木の香りが清々しい、外材やなくて国産材かなと。
ホールの中はコンクリートより木が主体で芝居小屋をイメージした内装。505席の席数なので大きくない。
浄瑠璃を演じるのを考慮した設計になっているので、舞台の左右は広くとられています。
文楽(人形浄瑠璃)を拝見するのにちょうどええかと思いました。
座席の前後もゆったりとられていました。
落語を聴くのもこのくらいの大きさが丁度エエ感じやと思いした。

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会場には早めに来たので、開場を知らせる一番太鼓から拝聴しました。
二番太鼓が鳴って開演。

この日の番組は以下の通り。

子ほめ』立川メンソーレ
『親の顔』(自作)立川志の輔
(中入り)
井戸の茶碗』立川志の輔

開口のメンソーレさんは、沖縄県出身で志の輔門下の四番弟子。
自分だけ名前に「志の」がオカシイという点をマクラに、噺は「子ほめ」へ。
噺の筋は上方と同じなんですね。

役割時間をきっちり演じ終えたメンソーレさんが引っ込んで、志の輔さん登場。
万雷の拍手。
一席目は長めのマクラ。
いろいろ噺を振られた。
選挙の話、マイケルジャクソン氏の話、そして笑いが如何に健康にいいか。
巧みな話術を堪能。
そして、少子化・教育の話になり、本編へ。
以前、聴いたことある噺で『親の顔』という志の輔さんの創作とのこと。
簡単にいえば「カエルの子はカエル」。よく出来た話やと思いました。言葉遣いだけ替えたら。上方の噺家がやっても十分おもろいのではないかと思いました。

そして15分ほどの中入りの後、2席目。
中入りが終わると、ホール内の提灯と非常灯が消灯され、緞帳が上がりました。
場内の照明を落としたのは、噺を集中してもらう主催者(演者)の意図なのでしょう。

2席目はマクラ無しで『井戸の茶碗』。
愚直過ぎるほどの正直者が3人出てくる噺。
それを独自の解釈とクスグリを加えられて、たっぷり50分近く愉しめました。
この噺、愚直すぎる2人のサムライの振る舞いに紙屑屋が困らせられます。サムライの清い心と正直なのはわかるが、身勝手やと思っていました。紙屑屋は振り回されている訳で。その点について志の輔さんの解釈があって、紙屑屋は振り回された後「自分で行け」という台詞になったのかと。

2席目が終わり一旦緞帳が下りようとしたところ、志の輔さん、〆の挨拶。
そして客席とともに三本締めでお開きとなりました。

リンク:
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携帯版しのすけコム


この日の会場であるは「浄るりシアター」が今から17年前に出来たことは知っていましたが、今まで訪れたことがありませんでした。
終演の〆の挨拶で志の輔さん自身、ここの劇場スタッフの対応、音響その他諸々の運営に関して評価され、そして、「浄るりシアター」が単なる貸しホールとしてではなく伝統芸能の「能勢の浄瑠璃」を後世に継承するために設けられたこと。その継承活動が行われていることにとても感銘を受けられた様子でした。

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日本全国、公金を使って立派な会館が出来ているが、その中で何が演じられているか?ハードもいいが、それ以上にソフトが大事やと思う。

高座で志の輔さんも触れていましたが、それにしても開場して17年経っているのに、この日が落語の初めての公演だとは思いませんでした。
ホスピタリティも悪くなかったし、また落語の公演をお願いしたいです。

因みに会場のある能勢町宿野(しゅくの)と最寄り駅である能勢電の山下駅まで路線バス(阪急バス)は通常1時間に1〜2本なんですが、この公演の観客のために臨時便も出されたようで。
適切な対応をとられたと思います。

リンク:
浄るりシアター@大阪府能勢町
能勢電鉄株式会社