
こちらの田辺寄席の鑑賞は5ヶ月ぶり。

入場時に世話人の大久保さんに頂戴した手拭いについてお礼申し上げると、「暖簾(のれん)を作って、かざって下さい」旨のことを云われました。そのサンプルが以下。

ええ感じやなあ。
またロビーでは「田辺大根」の種が希望者に配布されていました。
この日の演目は以下の通り。
『開口0番:文太の前噺』桂文太
『千早ふる』桂吉の丞
『田楽喰い』桂米二
『坊主の遊び』桂文太
(中入り)
『うなぎ屋』桂わかば
『口入屋』桂米二
三味線:中田まなみ
お茶子:山本英美
開口0番の文太さんの前噺は「蛍踊り」について。上方落語でも『色事根問』などに出てきますね。
文太さんの噺は噺家さんの宴会の艶な(笑)エピソードについてまで話が広がっていました。
文珍さんも「ニュースキャスター」やってた当時に、仲間うちの宴会では思い切り弾けてはったんやなあ、と(笑)
トップバッターの吉の丞さんは『千早ふる』。
南光から稽古をつけてもらったのか?南光さんの雰囲気が出ていました。
前座として発声もよかったなあ。
米二さんは『田楽喰い』。
米二さんがこの噺をするとき、「ん廻し」のところで、アドリブを入れられるんですが、今回は「ある国」のことについて触れられていました。あそこのもんは「ん」がつくものが多いなあと実感。
文太さんは『坊主の遊び』。『坊主茶屋』と似ているなあと思ったら、もとは上方の『坊主茶屋』でそれが江戸に移って『坊主の遊び』。文太さんはその『坊主の遊び』を上方へ”逆移入”されたようで。
えげつない噺の『坊主茶屋』よりソフトなので、文太さんの軽妙な語りにあっているし、よかったです。
中入りは15分ほど。
この間に会員更新を済ませて、中庭へ。
中庭から望む「桃ヶ池」は水面一杯に蓮の葉。そして蓮の花も何輪か見かけました。

中入り明けて。わかばさん。
噺は『うなぎ屋』でしたが、マクラでは新米の頃の師匠ざこばさんの運転手時代のエピソードを。
立川談志さんとざこばさんの宴席に運転手でついていったわかばさんは、談志さんから「落語を演ってみろ」と云われ、雀々さんから稽古つけてもらった『動物園』を演じると、談志さんから色々アドバイスを受け、祝儀までもらったそうな。そして「俺の前で堂々と落語を演るのは大したものだ」と云われたそうな。
普通は怖じ気づくんだけども、その度胸を買われたのでしょうね。
トリは米二さんで『口入屋』。オーソドックスに噺を進められました。
以前、文珍さんのスケベ心前面な番頭の『口入屋』を聴いていたこともあり、”味付け”の違いがよくわかりました。
あとラストシーンでは米二さん自身の実体験を入れられていました。
「薪山(きやま)」とか古い言葉が出てきてイメージつきづらい場面なので、工夫を入れられたのかと。
最後は抽選会。アシスタントの吉の丞さんの進行はテキパキとしていました。
遠方から30年ぶりに「田辺寄席」へ来られた観客も当選され、何より。
私は当たりませんでした。
終演は午後4時前でした。
関連リンク:
・田辺寄席
・大阪市立 阿倍野青年センター 施設情報
・米二ドットコム