10日日曜日の午後、日本晴れの下、鈴鹿サーキットで「F1日本グランプリ」の決勝が行われました。
午前中に前日9日に悪天候で出来なかった予選があり、レッドブル勢が1,2位独占。予想通り。

そしてしばらくブレイクがあって、午後1時半から「ドライバーズパレード」。

日本のクラシックカー好きのかたがたが持ち寄った車のF1ドライバーが乗って場内一周。
F1ドライバーは、もちろん車好きが多く、日頃のレースでは見せない喜びに満ちた表情で場内一周していました。
ルイス・ハミルトン選手のはいつの時代のだろうか解りませんでしたが、三輪車でした。
車をもちよったかたがたはみなさんボランティアだそうで、自走してくるなり搬送しているなりしてきたそうです。
趣味だからとはいえ、大変なことです。

30分ほどのパレードが終わって、いろいろ本番。

予選が終了したのは午後11時ごろだったと思うので、たった4時間ほどで決勝レース。普段のF1は一日空けるので、各チームともとても慌ただしかったことと思います。チームスタッフはランチどころではなかったかと。

まずグリッドに並ぶ為の最終チェック走行でヴァージンの1台が130Rでクラッシュ。スタート前からいきなり1台がリタイヤするハプニング。

そしてスタート。赤信号から青信号に替わって一斉にスタート。
スタートが苦手なPPのセバスチャン・ベッテル選手(レッドブル)は順当な滑り出しで1コーナーをトップで通過。
続く2位がロバート・クビサ選手(ルノー)、3位にはマーク・ウェーバー選手(レッドブル)。
しかしそのスタートで4台のマシンがクラッシュし、いきなりセーフティーカー出動の荒れたスタート。
さらにそのセーフティーカー出動中に、2位を走っていたクビサ選手のマシンのタイヤが外れるアクシデント。この時点でクビサ選手のレースが終わってしまいました。

その後、7周目で事態収拾が終わり、セーフティーカーが退去し、レースが再スタートすると、トップを往く、レッドブルの2台のマシンのスピードが遺憾なく発揮されるレースとなりました。

3位のフェルナンゾ・アロンソ選手(フェラーリ)を次々引き離していきました。ほんとうに速かった。
これまでレッドブルはPPは獲得しても決勝レースではハプニング続出で、ベッテル選手に関しては今季2勝どまりだったのですが。心配ご無用な走りでした。
高速で世界で屈指のテクニカルコースと云われる鈴鹿をものともしない走りでした。

ベッテル選手本人は昨年の鈴鹿で優勝を果たしていて、今回の日本GPに備え、彼のヘルメットは日本GP仕様のものでした。ヘルメットを上から見ると「日の丸」になってて、そしてバイザーにはレッドブルのキャッチフレーズである「翼を授けよう」がかかれていました。
翼はついてなかったですが、難コースといわれる鈴鹿を難なくクリアしていきました。鈴鹿のコースに対しフィーリングが合うんだろなあ、と。

ベッテル選手は最後まで愉しんでドライブしているように見えました。そしてそのままトップでフィニッシュ。
2位はウェーバー選手。
3位はアロンソ選手と上位陣が大きな波乱はなかったのですが、下位で非常に奮闘していた選手がいました。
それはザウバーの小林可夢偉選手でした。

開幕前、雑誌でのインタビューでは母国でのレースについて「全然意識していない」とコメントしていましたが、それは「嘘やろ」と感じさせる走りでした。
それもただ根性を出すという訳でなく、非常に知性的でそして非常にアグレッシブでした。

予選は14位だった彼ですが、いざ決勝がスタートすると、スタート時のクラッシュに巻き込まれなかったのは幸い。
レース前半は堅いタイヤでできるだけ距離を稼ぎ、残り少なくなっ周回でグリップの良いソフトタイヤに掛けスパートをかける作戦。それは今季の欧州GPで見せた作戦でした。
先行勢がタイヤ交換の為ピットインしていくなか、自然を順位が上がり、一時は5位に。そして39周目でタイヤ交換でピットインすると順位は12位に下がりましたが、そっからはグリップの良いソフトタイヤと軽くなったマシンによって、あとは彼の「オーバーテイクショー」でした。
アグレッシブでかつ冷静なドライブで前のマシンを次々とパッシングしていきました。見てて非常に鳥肌が立ちました。

ヘアピンってあんなに抜けるカーブやったっけ?と。

最終的には7位まで順位を上げ、完走しました。

これまで鈴鹿は「抜きにくいコース」と云われてきましたが、彼にしたが「何処が抜きにくいねん」といいたげな。

彼の走りを現場で見た方々は鳥肌が立ち、そして大きく心を揺さぶられたことでしょう。


リンク:
F1第16戦日本GP 予選・決勝データ@F1通信

以下、小林可夢偉選手のコメント(F1通信より)

「全力を尽くしたのでとても満足しています。僕らのチームにとって素晴らしいレースで、エキサイティングなレースを観戦できた日本のファンのためにとても喜んでいます。両マシンがポイントを獲得したのは2回目です。ここに戻って、7年ぶりに地元の皆さんの前で走るのは本当にすごいことでした。それでも今日はとても厳しいレースでした。予選から決勝まで数時間しかなかったので、とても忙しく、異例の日曜日になりました。スタート後、僕の前で事故が起きたので、巻き込まれなかったのは本当にラッキーでした。終盤、オーバーテイクはあまり簡単ではなく、接触もありました。マシンはダメージを受けましたがあまりひどくなかったのでレースを完走することができました。素晴らしい仕事をしてくれたチームと、最高の応援をしてくれたファンに本当に感謝したいです」

リンク:F1第16戦決勝後コメント 小林可夢偉@F1通信