ブリヂストンのF1タイヤエンジニアのトップである浜島裕英さんの本が新潮新書から出ていたのでそれを読みました。
世界最速のF1タイヤ―ブリヂストン・エンジニアの闘い (新潮新書)
内容としてはF1などモータースポーツに限らず、エンジニアとしてタイヤ開発に携わってきた著者の自伝的一冊で、インタビュー形式から起こした聞き書きなのか、浜島さんのおおらかな人柄が出た語り口で、難なく読み進めました。
一冊には浜島さんが大学院を卒業し、ブリヂストンに入社してからのキャリアや数々のエピソードが綴られていました。
新人、若手時代にはタイヤ工場の職人さんとのやりとりで、エンジニアとしての心構えや姿勢を学ばれたようです。
現場との信頼を築くかについてなんですが、いきなり若造が図面もってきて「あれやれ」「これやれ」といっても現場が頑として首をたてに振る訳がない訳で、熟練の技術や数々のノウハウ、経験をもつ現場のかたとの信頼を築くには如何に現場とのコミュニケーションができてないと行けない訳で。

F1って、熱心に見ないかたにとっては、同じコースをただ周回しているようにも見えますが、実際はそんなにイージーなものじゃなくて、コースそのものや天候、また周回を重ねるごとによって路面の状況が変わるので、状況を応じたタイヤが必要で、1つのレースには1400本ものタイヤを持ち込むだそうです。
タイヤにはひとつひとつIDが割り振られ、使い終えたタイヤには機密情報が詰まっているので、棄てるときには(もったいないですが)裁断するようです。
またブリヂストンと長年に亘りタッグを組んだミハエル・シューマッハ選手(シューマッハ兄さん)については、この周回のこのカーブのときにタイヤがどんな感覚であったかを的確にレポートしてくれたなど、天才レーサーならではエピソードも紹介されていました。

1997年より14年間にわたりF1にタイヤを供給してきたブリヂストンがきょうのアブダビGPをもって、その終止符を打ちますが、近い将来、F1の世界に戻ってきてくれると思っていますし、そうであってほしいので、今後もブリヂストンタイヤをマイカーに履かせることになるでしょう(微笑)

この一冊はとくに若手の社会人のかたに勧めたいです。
世の中、机上の論理だけでは動かんのですよ。


リンク:
BRIDGESTONE Motersport

以下、amazonにリンクしています。

世界最速のF1タイヤ―ブリヂストン・エンジニアの闘い (新潮新書)
世界最速のF1タイヤ―ブリヂストン・エンジニアの闘い (新潮新書)
クチコミを見る