27日土曜日は香川県の琴平町へ。
金丸座で行われた「小つる改め六代目笑福亭枝鶴襲名披露公演」へ行ってきました。
旧金比羅大芝居(金丸座)枝鶴襲名披露
笑福亭小つるさんが、このほど「六代目笑福亭枝鶴(しかく)」を襲名。その披露公演でした。
「枝鶴」は松鶴さんの前名で、小つるさんは六代目松鶴さんの実子である五代目笑福亭枝鶴さんのお弟子さんでした。五代目枝鶴さんが20年ほど前に廃業(失踪)から、かなり時間が経ったのと、小つるさん自身も50歳を迎えたこともあり、「枝鶴襲名」を決断されたのでしょう。

会場の「金丸座」は江戸時代から続く芝居小屋で、国の登録文化財という建物は伝統的な木造家屋。
格子のぶどう屋根に歌舞伎の紋の提灯。
金丸座場内


座席は椅子席はなくすべて桟敷。狭かった。
機密性高い現代の劇場と異なる伝統家屋なので、隙間風がビュービューお客さんも冷えて演者が交替する度に出入りが激しいので、中は寒いままでした。

で雰囲気たっぷりの中、開演。

この日の演目は以下の通り。

子ほめ』笑福亭銀瓶
堪忍袋』笑福亭鶴瓶
替わり目』笑福亭松枝
祝いのし』桂春團治
(中入り)
<口上>枝鶴・春團治・福笑・松枝・鶴瓶 司会:銀瓶
『宿屋ばばあ』笑福亭福笑
竹の水仙』小つる改め六代目笑福亭枝鶴

トップバッターは銀瓶さん。この位置(前座)で銀瓶さんを見るのは珍しいほうやと思います。『子ほめ』をきっちり。
あくまで銀瓶さんのニンって、鶴瓶さんより米團治さんのほうが似ているなあと。銀瓶さんは米團治さんのような天然ボケタイプではありませんが、軽い感じがなんとなく(汗)

二番手は鶴瓶さん。観客の視線と注目は高座に集中。
まくらでは観客のこころの掴みかたとか、流石。
大阪とは違う笑いのとりかたしてはった。出演しているテレビCMの噺とか云々は繁昌亭夜席や動楽亭とか、落語通が集まる寄席ではなかなか。いわゆる”サラ”なお客さんが多い会場ならではのネタ選びかな?
噺のほうは『堪忍袋』。この日の金丸座は生の落語に「慣れていない」観客が多いためか、噺の途中でも私語が聞こえる、聞こえる。
鶴瓶さんの噺が終わって、隣の席はおばあちゃんの集団でしたが、鶴瓶さんの口演について「聞き取りづらい」といってましたた。鶴瓶さんって滑舌でない割に、早口なんですよね。放送ならそれでもええんでしょうが、ライブでは耳がいいほうでないおばあちゃんでは辛いでしょうね。

鶴瓶さんの後は松枝(しょうし)さん。
マクラでは先代枝鶴のエピソードなどを。
『替り目』は途中まで。噺を聴いて、冷えたので、燗酒が飲みたくなりました。

中トリは春團治さん。
例の通り、始めはぼそぼその喋りの春團治さんなので、私の臨席のおばあちゃん連は「聞こえないから、『もっとはっき喋り』というたり」なんて聞こえてきました。しかしその後は(例の通り)声量が大きくなり、観客を噺の世界に引き込んでました。おばあちゃん連も黙って聴いていました。
噺のほうは十八番『祝いのし』。この噺を選ばれたのは襲名披露は祝い事でもあるからでしょう。

中入りは長め。
冷えたので、トイレ休憩に行く人多し。
因みにトイレは一旦表に出て、劇場の端にありました。

中入り開けて<口上>。

こんな並びで座っておられました。

銀瓶(司会) 鶴瓶 福笑 枝鶴 春團治 松枝

口上は、8月に都丸改め塩鯛襲名披露を観賞したときと比べてしまうのですが、笑いに関しての「連係プレー」がきっちり出来ている「米朝一門」と比べ、笑福亭のは個人技が際立ってました。まあ悪くいえばバラバラであるんですが(笑)
福笑さんがとてもハイテンション。無茶苦茶でした。
あまりの暴走ぶりに春團治さんの表情は苦笑から最後は怒り気味でした(笑)
テレビでは拝めない福笑さんのエキセントリックな笑いは素朴な香川の人たちには刺激キツいかと思いました(笑)が、弟弟子の晴れの舞台に兄弟子さんたちは懸命に盛り上げてやろうというのがひしひしと感じました。枝鶴さんの人望もあってのことだと思いました。

口上は終わって、福笑さん。
自作の『宿屋ばばあ』は福笑ワールド全開。抱腹絶倒。会場をがんがん沸かせてました。

そして主役の枝鶴さん登場。
会場内は万雷の拍手とともに「六代目!」「六代目〜!」のかけ声。
枝鶴さんは15年にもわたって香川県の西日本放送でラジオ番組のパーソナリティを務められたようで。そして県内の地域寄席で地道に活動され、熱心なファンを増やされたのかと思います。
噺は『竹の水仙』でした。最初は緊張気味やったようにみえましたが、徐々にペースをつかみ、我々を噺の世界に引き込んでくれはりました。

終演時も大きな拍手で緞帳が舞台上手から引かれました。

終演後、会場外へ出ると、人だかり。ご贔屓さんが枝鶴さんを取り囲んでいました。その中で枝鶴さんが挨拶されているなあと思いました。枝鶴さんは大柄な人でないので、人だかりの外からは拝めなかったですが、挨拶されているのがわかりました。

今の枝鶴さんで「枝鶴」という名前をまた大きくしてほしいです。

枝鶴襲名披露@金丸座


リンク:
旧金比羅大芝居(金丸座)@琴平町オフィシャルページ
枝鶴の楽屋