16日火曜日の午後は新世界は地下鉄動物園前駅前の「動楽亭」の昼席へ。
新世界「動楽亭」

今月の「動楽亭」昼席は、通常の10日間興行ではなく20日間興行とし、米朝一門以外から多数の出演者を入れていました。
この日は、六代目松喬、梅團治、春蝶の各師が出演するということもあり、立錐の余地なし。締め切っていた道路側の廊下を開放し、すべて座椅子を埋めていました。120人くらい入ったんじゃないかな。奥からの追加の座椅子出し入れには観客も参加。開演前から客席は大いに盛り上がりました(笑)

舞台には以前、ざこば一門の噺家の名前が入った提灯が掲げられていましたが、それがなくなっていました。都丸一門が塩鯛一門となり、一斉に改名したこともあり、外すことにしたのでしょう(改めて提灯を拵えなかったのでしょう)

この日の演目は以下の通り。

うなぎ屋』桂そうば
『若旦那とわいらとエクスプレス』桂しん吉
書割盗人』桂吉弥
『切符』桂梅團治
(仲入り)
『山内一豊と千代』桂春蝶
壺算』六代目笑福亭松喬

開口はそうばさん。
いつも動楽亭と違い大入り。少々緊張気味。
『うなぎ屋』は実存するお店の名前が出てくる噺。

二番手はしん吉さん。
鉄道関連のマクラを振った後、自作の『若旦那とわいらとエクスプレス』を。
鉄道の駅と車両を云いたいが為に作ったという指摘を読んだことがあるけれど、それはわかりきった噺で(笑)現代の鉄道の駅名や列車と、古典落語特有の「身代(しんだい)」(財産の意味)一緒に語られるというミスマッチがおもろいのやけど・・・やはりマニアックか。

三番手は吉弥さん。
高校までサッカーしていた吉弥さんはマクラでは「なでしこジャパン」の噺を。
それにしてもサッカーとは関係な普通の落語の寄席で、「宮間あや」の容貌や「岡山湯郷ベル」の話題で観客が反応するなんて、1ヶ月前までは考えられなかったことでありますなあ。
噺は『書割盗人』。江戸落語相当『だくだく』。

中トリは春團治一門の梅團治さん。
しん吉さんともに鉄道オタ(撮り鉄)である梅團治さんはしん吉さんの「鉄道落語」の口演で刺激を受けたようで、自身の鉄道落語で『切符』。
酔客が「みどりの窓口」で駅員を困らせる噺。
『住吉駕籠』のパロディで、噺の中に新大阪から東京までの駅名を全て云うサービスも。
東京から駅名を憶える人はいても、逆に少ないのでは(笑)
それ以外にも鉄オタらしい所作をふんだんに入れておられました。
あちこちで繰られているのでしょう。

10分ほどの仲入りが明けて、春團治一門の春蝶さん。
かつて阪神タイガースファンとしてテレビ番組に出演していた桂春蝶さんは先代で実父。
その春蝶さんが亡くなってからの入門で、実父とは兄弟弟子となるそうです。
噺のほうは講談噺がベースの『山内一豊と千代』。
いわゆる名馬購入のエピソードであるが、春蝶さんメディアでよく出られているためか、全体的に早口でちょっと聴き取りづらいところがあり。まあニュアンスで笑う人は構わないんでしょうけども。

トリは松喬さん。
梅團治さんもそうでしたが、松竹芸能所属なので、かつて新世界のジャンジャン町にあった松竹芸能の演芸場「新花月」でのエピソードについて。
如何にも新世界らしいエピソードでしたが、今の観光地化した新世界からはちょっとイメージしずらくなっているかと。
それにしても「新世界」が明るくなったのは、串カツを広報しまくった赤井英和氏や、「ビリケン」さんの存在が大きいかな?
噺は『壺算』。たっぷり愉しめました。

2時間半を超えての終演でした。

リンク:動楽亭寄席情報@米朝事務所のホームページ