12月15日土曜日は、東京の秩父宮ラグビー場で行われた第56回ラグビー日本選手権(兼トップリーグ2018-2018順位決定戦)決勝、神戸製鋼コベルコスティーラーズ×サントリーサンゴリアス戦へ。
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ラグビートップリーグの2018-2019シーズンは、2つのカンファレンスで分かれてそれぞれ上位と下位で順位決定トーナメントで対戦。
レッドカンファレンスを1位抜けしたコベルコスティーラーズ(以下、神戸)は上位のトーナメント。つまり優勝をかけたプレーオフのトーナメントに。

初戦リコーブラックラムズ、準決勝はトヨタ自動車ヴェルブリッツを下して、サントリーサンゴリアスとの決勝。
前季からトップリーグの優勝を懸けたトーナメントの準決勝以上は「ラグビー日本選手権」を兼ねた大会に。
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それまではトップリーグと日本選手権は別の大会でありましたが、大学とトップリーグの力の差が開きすぎて、試合にならないので、日本選手権がトップリーグのプレーオフを兼ねた大会に。
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神戸はトップリーグは創設年度の2003-2014シーズンのいわゆる「初代王者」以来、日本選手権に至っては、サントリーと同点優勝を果たした2001年度以来、優勝なし。
それ以降はプレーオフ、日本選手権いずれも苦杯を喫し。。。が続いてきました。

優勝を狙う神戸に立ちはだかったチームの一つがサントリーサンゴリアスでした。

その雪辱を果たしてほしいと思い続けてきました。

今回は最高の指導者、コーチ陣、スタッフ、選手を集めて春からトレーニングを続けてきたと聞きます。
今度こそ日本一を獲ってほしいと。

サンゴリアスとは9月のリーグ戦に勝利したのですが、それはあくまでシーズン序盤のリーグ戦の話。
シーズンオーラスのこの試合とは選手のコンディションも違ってくるだろうから、あてにならないと思っていました。

サンゴリアスは攻撃は素早く一度ボールを渡してしまうと手がつけられなくなる印象でした。

立ち上がりから先制して、主導権を握り続けてほしいと思いました。

今年1月の前季の5位決定戦以来の秩父宮。

メインスタンドの指定席に陣取りましたが、午後2時のキックオフが近づくと、指定席、自由席もほぼ満杯になっていました。
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結局観衆発表は17000人台。

ただ、他のトップリーグの試合があったので、日本選手権決勝は他の試合と重ねて欲しくなかったです。
全国のラグビーファンがこの試合に注目できるように調整してほしかったです。

メンバーは。
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神戸はフルメンバー。
サンゴリアスに真っ向勝負!

試合は神戸が風下(メインから右から左へ攻める)。
ダン・カーター選手のキックオフで始まると。
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開始2分に早くも先制機。

サンゴリアスの攻撃をNo8中島イシレリ選手がターンオーバーすると、連続攻撃。
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ラックからSH日和佐篤選手、SOカーター選手と繋ぐと、最後はWTBアンダーソンフレイザー選手が先制トライ!
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カーター選手のコンバージョンも決まってスコア7対0。
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前半11分にはハーフウェイライン上でのスクラムからWTBフレイザー選手が突進すると、連続攻撃からNo8中島選手が外側にいたWTBフレイザー選手にパスを繋ぎ、フレーザー選手がゴール右隅にトライ。
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前半17分にはサンゴリアスのWTB尾崎晟也選手に1トライを返されますが。
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前半36分にはサンゴリアスSO松島幸太朗選手(15番)のキックを、HO有田隆平選手(2番)がチャージ!
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有田選手はそのままボールをもちこみトライ。
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カーター選手のコンバージョンも決まって、スコア22対5。
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有田選手は冷静に相手の動きをよく見ていたようだ。
あのブロックは非常に効果的だったと思う。相手がトライゲッターの松島選手なだけに。

前半は神戸リードで折り返し。
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キックを使わず、ポゼッション高く、3トライ。上々。


後半もサンゴリアスに主導権を渡すまいと先にトライを挙げたのが神戸。

後半5分、サンゴリアスFB松島選手にWTBアダム・アシュリークーパー選手(13番)が猛烈なタックルを喰らわせると。
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ボールを奪って、連続攻撃。
最後はアシュリークーパー選手が力技でトライ。
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カーター選手のコンバージョンも決まって、スコアは29対5。
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その2分後はサンゴリアスのキックオフから神戸が連続攻撃。
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最後は、この日、鼻の怪我を押して出場したFB山中亮平選手がゴール右隅へトライ。
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後半13分には、神戸陣内でのサンゴリアスのノックオンから、神戸が細かくパスを繋ぐと、
最後は神戸のLOトム・フランクリン選手が独走トライ。
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その後も攻撃の手を緩めなかった神戸。

後半16分には、サンゴリアス陣内5mラインアウトから攻撃を続けると、ラックから連続攻撃。
最後は、FLグラント・ハッティング選手がトライ。
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カーター選手のコンバージョンも決まって、48対5。
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この後、カーター選手が交替。
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スタンドじゅうから拍手が。

後半37分。サンゴリアス陣内でターンオーバーすると、ラックからBKに展開。
最後はFB山中選手が右隅にトライ。
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22番パーカー選手のコンバージョンが決まってスコア55対5に。
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結果、前後半8トライでサンゴリアスに大差のスコアを挙げて、トップリーグは15季ぶり、日本選手権としては18大会ぶりの優勝を獲ることができました。
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◆12月15日 東京・秩父宮ラグビー場

神戸製鋼 55−5 サントリー
(前半28−5)
(後半27−0)

リンク:試合結果@トップリーグ公式サイト


試合後。
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NHKと場内向けに、ディロンヘッドコーチ、前川鐘平共同キャプテン、カーター選手がインタビューに応じていました。



待ってました。ありがとう。

そして表彰式。
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まず準優勝チームから。
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そして優勝チームに。
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こんだけカップがある。
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各新聞社からの表彰。
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NHKトロフィー。
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でかい。

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チャンピオンフラッグ。

協会杯。
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最後は賜杯。
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共同キャプテンが。
平尾誠二さんの写真とともに。

待っていた、この瞬間。
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この瞬間まで、長かった。

80分の試合終始ハードワーク。を落とすことなく、闘い抜いた。
徹底して相手の持ち味を消すことに徹していたのも。それと試合終了まで力を抜かなかったのが素晴らしい。抜いたら「つまらない試合」になっていたと思う。

ブレなく一本筋が通った試合運び。
ミラー選手や大畑大介選手が現役のときに日本選手権を制しているが、こうした圧倒した勝ち方はV7時代を彷彿とさせる。

神戸のレガシーがここに継承されたのが嬉しい。

平尾誠二さんが2008年当時、GM兼任総監督だったとき「超攻撃的ラグビー」を掲げていた。
あれから10年になってようやくそれが具現された。
終始ハードワーク。激しいタックルによってターンオーバーからの連続攻撃。
ディフェンスも安定していた。チーム全体で一丸となっていた。
誰一人として違う方向向いてなかった。

見たかった、このラグビー。
今後も見たい。
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(2018.12.23 20:21追記)
一部文言に誤りがありましたので、訂正しました。

以下、試合後のディロンヘッドコーチ、橋本大輝ゲームキャプテン、ダン・カーター選手の話です。
(トップリーグ公式サイトより。)
===
○デーブ・ディロンヘッドコーチ
「本当にうれしいです。チーム全員のことを誇りに思います。試合に向けた準備も素晴らしかったし、一個一個の小さいことができた結果だと思います。橋本ゲームキャプテンはもちろんのこと、福本チームディレクター、そして平尾さんの想いを代表して戦い、優勝を勝ち取ることができたことは本当に素晴らしいことです」

──カーター、フレイザー、アシュリークーパーなどのワールドクラスの選手たちはチームにどのような影響を与えたか?
「ワールドクラスの選手だけではなく、ジョー・ラッシュ通訳や平島、山下、橋本選手などがチームにいることが、選手たちが学び育てられる環境や文化を作っているものと思います」

──長かった勝てないシーズンを変えるためにしたことは?
「橋本ゲームキャプテンが先に述べたように(後記)、自分たちが何を代表してプレーしているのか、会社の歴史や神戸製鋼ラグビー部の90年の歴史などに立ち返り、自分たちがプレーする意味づけにつなげていきました。また、過去のスチールワーカーたちと自分たちをつなげて、チームはひとつとしてやってきました」

──チームにウェイン・スミス総監督やカーター選手が加入して良かったことは?
「今シーズン、チームには多くの面で変化がありましたが、スミス総監督はその内容をシンプルに伝えてくれますし、そのような総監督の下で働けるのは誇りです。彼が謙虚で思いやりをもってチームに接していく中で、多く成長できたコーチ陣を含めて、チーム全体としても成長できたと感じています。
世界でトップレベルのカーター選手は、さらに成長したいという気持ちをもって神戸製鋼に来てくれました。彼やアンドリュー・エリス選手などの外国人選手や、他の経験豊富な日本人選手も成長したいというマインドセットで今シーズン戦ってきました。その結果が、今日のチームが出来上がった理由と思います」


○橋本大輝ゲームキャプテン
「決勝の舞台に立つのは人生で2回目です。どう表現すればよいかわかりませんが感無量です。試合では相手に気持ちのうえで相手を圧倒できたかと思います。15人だけではなくメンバー外の選手、会社やファンの皆さまの力があって、あのようなゲーム内容になったと思います」

──神戸製鋼は力があると言われ続けていながら、なかなか優勝まで来ることができなかったが、今年は安心してプレーをみることができた。チームとして一番変わったことは何か?
「チームの歴史の重みや、チームに所属しているというプライドの部分が高くなって、ラグビーにも私生活にも良い面が出て、チームの一体感や自信につながったと思います」

──ウェイン・スミス総監督やカーター選手の加入も大きく影響しているか?
「そうですね。チームや会社の歴史を振り返ったことが、一番大きかったのかなと思います。」

──相手にワントライしか許しませんでしたが、ディフェンス面が良かった要因は?
「サントリーの方ではなく、神戸製鋼が自分たちのラグビーを完成できたことが点差になって表れたと思います。いつも通りのことを自分たちはやっただけですが、気持ちの部分がすごく前に出ました。今日のような試合ができるなら毎回やるようにということかもしれませんが、ファイナルという特別な場面で、気迫がすごく出ました」

──サントリーを上回る速いテンポのアタック、ディフェンスができたことについては?
「結果の通り日本一のアタックとディフェンスができ、神戸製鋼のラグビーが体現できたと思います」

──平尾さんの遺影を抱えて壇上に上がられたときの気持ちは?
「平尾さんとは亡くなられる前からずっと優勝を約束していましたので、これ以上のことはないぐらい嬉しかったですし、やり切った気持ちです。今日、チームが目標としていた歴史を作ることができ、この歴史を後輩たちにつなげていきたい」

──スペースを使うアタッキングラグビーを1年の短期間で完成されましたが、その間の苦労と、そのようなラグビースタイルに対する感想は?
「今まで神戸製鋼には能力があると言われてきましたが、スミス総監督、ディロンヘッドコーチやカーター選手などがどうすれば勝てるかの方向性を示してくれました。相手を動かしてラグビーをするのが楽しいです」

──そのためには覚えることがたくさんあったのでは?
「そのようなことはなく、スペースにボールを運ぶというシンプルなラグビーで、昔の神戸製鋼と同じようなラグビーだと思います。ただそれだけです」

──今日やっていて楽しいことは選手間で共有化されていましたか?
「はい、そうです。歴史を作る一人になれたことは、責任もありますが光栄なことであることを選手みんなが思っていました。そのような中でラグビーができて良かったと思います」



○ダン・カーター選手
「神戸製鋼にとって今日は特別な試合でした。優勝するまで長い期間が空いていましたが、今回優勝できて嬉しく思います。長くから神戸製鋼にいる橋本、谷口、前川などの選手がいるから優勝したいという強い気持ちをもってプレーしました。今日のチームパフォーマンスは誇りであり、自分のためではなく、長く神戸製鋼にいる人やマネージメント、チームのOB、今日のノンメンバーなども同じです。さきほどのロッカールームでも皆さん笑顔でいっぱいでした」

──チームメイトに最も多くかけた言葉は?
「決勝の週に入ると決勝に勝つための秘訣や何か特別なことをした方が良いのか聞かれました。今までシーズンを通してやってきたハードワークができているから決勝まで来ることができたので、何か特別なことは必要ではなく、基本のことを信じてプレーすることが大事であることを言い続けてきました」

──キックが少なく、試合開始から3分間、ボールをキープし続けたことについては?
「サントリーはボールを持つと危ないチームなので、今日の試合では、ボールをキープすることが重要でした。ボールをキープし、フェーズを重ねていればどこかでチャンスが巡ってくるというゲームプランで今年はやってきました。最初のトライもその結果であることがわかったので嬉しかったです。システムの中でプレーするのが我々の強みです」

──たくさんのトライをした中で、どのトライが勝負を決めるうえで効果的であると思ったか?
「前半の得点はサントリーより我々の方が上だったため、後半はサントリーはどこからでも勝負してくるはずだから、後半開始の最初の10分が大事であるとハーフタイムの時に話しました。その10分間に味方が2本トライすることができたので、もう少しで勝てると思いました。もし、神戸製鋼がアタックせずにサントリーがアタックしていたら、結果に影響を与えていたと思います」

──来日記者会見のときに、神戸製鋼の優勝に貢献したいと言っていたが、それがかなった瞬間の気持ちは?
「私が日本に来てすぐに神戸製鋼がハードワークをしていることはわかりましたので、自分が何か新しいことや違ったことをしようとは思いませんでした。チームができているところに自分が合わせながら、リーダーシップや若手選手の教育など自分の貢献できることをみつけていこうと思いました。ただ、自分がいたからではなく、一つの特別なチームとして全員が貢献した結果であり、皆さんの前に座ってお話ができるのもそのお陰です」

──日和佐選手とのコンビは良かったですが、普段、どのようなコミュニケーションをとっているか?
「彼は英語が上手なので仕事がやりやすかったです。グラウンドだけではなく、グラウンド外でコーヒーを飲みながら試合のこともたくさん話しています。そんなつきあいができているので、どのような状況になっても同じ知識をもってお互いを理解しているつもりです。どのチームでも9番と10番のコンビは重要です。神戸製鋼に来ても多くのプレーの状況の話をしているので、どのエリアにいても彼は私のことを理解していると思います。」

──スミス総監督の貢献については?
「彼は、私が来日した2カ月前からチームにニュージーランド的なストラクチャーの導入を始めていました。それはスキルの基本部分を良くすることを教えるものです。また、声をしっかり出すことにチャレンジしていました。日本人選手は一般的に静かで間違ったことは言いたくないので、正しい、正しくないにかかわらず少しでもしゃべって意見を言ってもらうことに取り組んでいました。彼が厳しく選手に話をすることもありますが、それは選手の成長やチームのことをケアしているためで、彼の貢献度は大きい。彼とは、2004年以来のつきあいですが、世界で一番良いコーチであり、我々のところにいてくれるのはラッキーだと思います。」
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以上。

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