２月４日日曜日は、道頓堀「大阪松竹座」での「立春歌舞伎特別公演」２日目の公演へ。
今回の大阪松竹座での「歌舞伎特別公演」は「大阪国際文化芸術プロジェクト」のサブタイが付いている。
大阪府と大阪市による文化芸術支援事業の一環なようだ。
番附の巻頭のほうに、大阪府知事と大阪市長の挨拶文が掲載されていた。
その為、役者も上方歌舞伎の成駒家（中村鴈治郎家）と松嶋屋中心で、演目も上方に拘ってて。
三階席最後列にて観賞。
後ろの通路には大向こうのかたが立っておられてて。盛んに屋号で大向こう張ってました。
因みに大向こうはマウス必携は変わらずですが。
昼の部は『源平布引滝』の３幕。
『源平布引滝』は『義賢最期』と『実盛物語』は、歌舞伎でよく上演されてるようですが。
今回は２段の間に『竹生島遊覧』が入れられた。
それは『実盛物語』に出てくる小万の腕と源氏の白旗の物語上での経緯がわかりづらいので、『竹生島遊覧』を入れてほしいと愛之助さんが提案されたようで。
『竹生島遊覧』は義賢から託された源氏の白旗を、先に逃げた義賢の奥方に届ける為に、小万が決死の逃走。途中平家に取り囲まれると、琵琶湖に飛び込み泳いで逃げる。
溺れかけた所を平家の宗盛の船に助けられるところを、源氏の白旗を渡すまいとする小万の片腕を船上の実盛がワザと斬って、腕が掴んでいた白旗ごと海に流ししまう。
平家方の武将が何で白旗を海に流すのかは、次の『実盛物語』で解るんですが。
舞台上での波の表現がリアル。
愛之助さんは源義賢と斎藤実盛を。義賢が鬼気迫る熱演。
戸板倒しと仏倒れが圧巻でした。
『実盛物語』は８年前の先斗町歌舞練場での顔見世でも拝んだことが。
このときも愛之助さんが実盛を。役がハマっている。
この段、情報量が多すぎで、平家方の悪役の瀬尾十郎が小万の実の親だと告白し、孫の太郎吉に自らの首を討たせるとか。
討たれた後、出てきたレプリカの瀬尾十郎の首が、演じたがんじろはん（中村鴈治郎さん）よりイケメンで場内に笑い声が。
昼の部終了。
16時から夜の部。
『ちょいのせ』。
40何年ぶりの上演。お染久松の恋路を番頭善六が邪魔をする。この善六で今で云うパワハラ親爺だが、憎めない。久松に善六が悪巧みを仕掛けるも、お染の許嫁（いいなづけ）の清兵衛がそれを見破る。痛快。
如何にも上方らしいこってりした芝居。
『ちょいのせ』の後半は人形振り。土蔵に閉じ込められた久松とお染の逢瀬。そこに善六も加わって。
文楽仕立てな人形振り。国立文楽劇場で観る感覚な。
お染は尾上右近さん、近松を中村壱太郎さんが演じてる。
夜の部二幕目は『連獅子』。生で久々に見た。
扇雀さん、虎之介さん「成駒家」父子の舞踊。
三幕目は『曾根崎心中』。壱太郎さんがお初を。お爺さんの坂田藤十郎さんの当たり役だった。
相手の徳兵衛は尾上右近さん。前の『ちょいのせ』とは男女逆転。
最後の曾根崎の森での心中に至るシーンでは、二人の死相が強烈だった。
右近さんは、なんと初演らしい。ええもん見た。
若い二人にバトンタッチした印象。
なお、公演は18日日曜日まで。
大阪国際文化芸術プロジェクト「立春歌舞伎特別公演」＠大阪松竹座
＜昼の部＞一、源平布引滝（げんぺいぬのびきのたき）三幕
義賢最期（よしかたさいご）
竹生島遊覧（ちくぶしまゆうらん）
実盛物語（さねもりものがたり）
＜夜の部＞
ー、新版色讀販 （しんぱんうきなのよみうり） ちょいのせ 二幕
二、連獅子（れんじし）
三、曽根崎心中（そねざきしんじゅう）一幕三場
リンク：
・立春歌舞伎特別公演｜大阪松竹座｜歌舞伎美人
・立春歌舞伎特別公演 - 大阪国際文化芸術プロジェクト
・「立春歌舞伎特別公演」大阪松竹座で幕開け（舞台写真あり） - ステージナタリー
・中村鴈治郎、中村扇雀、片岡愛之助、中村壱太郎、尾上右近ら豪華な顔ぶれが集結 『立春歌舞伎特別公演』開催 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス
